灰の不思議

「灰の不思議」

有機物など、ものを燃やすと大抵のものは灰になります。

その灰の中に微量要素と言われている、いろいろなミネラルが含まれています。極めて微量だから微量要素と呼ばれているのですが…。

化学的にそれらの成分を分析する技術が発達しています。

数々のミネラルも微量なるがゆえに分析数値として現れない成分がある事を裏付ける事に釉薬原料にした時に、規定の色とは違う発色をする事があります。

木や花や草など植物はもちろん、魚や鳥、昆虫や爬虫類、動物や人間などの哺乳類も燃やせば骨と灰になり、骨も高温で焼くと灰だけが残ります。これらの灰はすべて釉薬の原料になるのです。無機物でも火山灰、石灰など文字どおり灰とつけば釉薬の原料になります。

どんな灰でもその成分には微妙な違いがあります。その成分の違いは釉薬の色の違いや溶ける温度の違いとなってあらわれます。

植物の灰は、木灰、草灰、わら灰、笹灰、もみ灰の順に溶けにくくなる性質があります。そのうち、木灰は、草灰は草色、わらは白っぽく、笹やもみは黄色みを帯びた色になる傾向があります。

しかし、釉薬以外の成分や、焼き物の土、焼き方によっても違いが出るので単純ではありません。さらに同じ植物の灰でも成長のどの段階か、どんな土壌に育ったかによってもその成分が違うことで釉薬にした時、発色が違ってきます。

熊本のいぐさの灰を、釉薬にしたら、茶色に発色しました。

いぐさは水生植物なのでわらと似ているので白っぽい色になると思われますが

雲仙の火山灰を釉薬にして試して見ると、いぐさの発色、茶色に近い色になりました。

《いぐさは雲仙岳の火山灰地で作られている》ことを教えてくれました。

灰は昔は、畑の肥料や火鉢の灰に利用されたり、あく抜きに使われたり人間生活に重宝されていました。

ワラビやゼンマイを木灰であく抜きすると美しい深緑になります。木灰の釉薬が緑色になる原理と同じなのです。木灰のあくは草木染めにも利用され、自然な発色を助けると言われています。

近年は灰は貴重品でなかなか手に入りにくくなっています。

自然の灰ではなく、人工的に色々な成分を調合した、合成木灰、合成わら灰、合成栗皮灰というのが造られています。

しかし、合成灰は自然の灰とは微妙な色の味わいが違うと言われています。